コロナ禍の終わりと、一緒に戻ってきた不安

03. 嘔吐恐怖症

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以前、私はこんな記事を書きました。
→【コロナ禍が、私を少しだけ救ってくれた】

コロナ禍によって外へ出なくてもよくなったこと。

それが、嘔吐恐怖症で苦しんでいた私にとって、
少しだけ救いになったこと。

そんなお話です。

でも今日は、その続き。

「コロナ禍が終わった後」、私に起きた変化について書こうと思います。

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コロナ禍が落ち着き、

少しずつ日常が戻ってきた頃。

私は、また怖くなりました。

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人が戻ってくる。

電車が混む。

飲食店が賑わう。

マスクを外す人が増える。

世の中は、
少しずつ元の日常へ戻っていきました。

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でも。

嘔吐恐怖症の私は、

その変化についていくことができませんでした。

日常が戻ってしまうことが、

とても怖くなっていました。

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嘔吐恐怖症の私にとって、

人が多い場所は怖い。

密室も怖い。

逃げられない状況も怖い。

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そして。

コロナ禍を経た私は、

以前よりもさらに、

「菌への不安」が強くなっていました。

「菌がついているかもしれない」

そんな考えが、
頭から離れなくなっていたのです。

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手を洗っても、
アルコール消毒をしても、
「まだ菌がついているかもしれない」と感じて。

外から帰ってきたら、
「家の中に菌を持ち込んだかもしれない」と感じて。

そんな不安が、
次から次へと湧いてきました。

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気づけば私は、
除菌グッズをたくさん持ち歩くようになっていました。

アルコールスプレー。
アルコールジェル。
除菌シート。
ハンドソープ。
うがい薬。
付け替え用のマスク。

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外出するときは、
必ず持っていないと落ち着かない。

「ないと不安」というより、
「ないと外に出られない」という感覚でした。

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外出そのものが、怖くなりました。

気づかぬうちに何かに感染していて、
あとから体調が悪くなるかもしれない。

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外出が減ったことで、
免疫力が落ちているかもしれない。

免疫力が落ちて、
菌に感染しやすくなっているかもしれない。

当時の私は、
本気でそう思い込んでいました。

もちろん今振り返ると、
根拠があったわけではありません。

でも当時の私にとって、
その不安は本物でした。

「外へ出たら感染するかもしれない。」

「感染したら吐くかもしれない。」

そんな考えが、
予期不安を大きくしていたように思います。

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電車に乗っている間も、
「隣の人から何かうつるんじゃないか」という不安。

咳き込んでいる人や、体調が悪そうな人が近くにいると、
それだけで、心臓がドキッとして。

その場から逃げ出したくなる。

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そして、頭の中では、
すぐに最悪の未来が始まる。

「感染したかもしれない」

「気持ち悪くなるかもしれない」

「吐くかもしれない」

まだ何も起きていないのに。

何も起きていないからこそ、
想像だけがどんどん膨らんでいく。

また予期不安が始まるのです。

──────

今振り返ると。

コロナ前の不安と、
コロナ禍が終わった後の不安は、
少し違っていました。

以前は、
「吐くこと」への恐怖が中心でした。

でも、コロナ禍を経て、
「菌がついているかもしれない」
「感染しているかもしれない」
という不安も加わりました。

嘔吐への恐怖に、
菌への恐怖が重なっていたのだと思います。

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帰宅して、

手を洗って、

うがいをして、

着替えて、

持ち物を除菌して。

それでもまだ、

「気持ち悪くなるかもしれない」という不安が残る。

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見えないものを警戒し続ける毎日は、

思っている以上に疲れます。

何もしていないようで、

頭の中ではずっと戦っているからです。

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だから私は、

世の中に広がっていた、
「元の日常が戻ってくることを喜ぶ空気」に、
少しだけ置いていかれた気持ちになりました。

素直に喜べなかった。

日常が戻るということ。

それは私にとって、
また「普通」を求められる日々が戻るということだったから。

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みんなが前を向いているように見える。
でも私は、まだ怖い。

みんなが元の日常へ戻っているように見える。
でも私は、戻れない。

そんな焦りもありました。

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それでも。

私は少しずつ外へ出ました。

不安がなくなったからではありません。

不安を抱えたまま、
少しずつ動きました。

それが正しい方法だったのかは、
今でも分かりません。

でも、
あの頃の私にできる精一杯でした。

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コロナが明けて、数年。

今でもその名残はあって。

除菌グッズは、今も必ず持ち歩いています。

「持っていれば安心できる」

そう思えるお守りのような存在です。

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でも。

不安は、完全には拭えない。

不安が、完全に消える日は来るのか。

正直、それは分かりません。

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でも。

不安があっても、
外へ出られる日は増えました。

不安があっても、
ご飯を楽しめるようになりました。

不安があっても、
生活できるようになりました。

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もし、私のように、
コロナ禍をきっかけに外が怖くなった方がいたら。

菌が怖い。

人混みが怖い。

感染が怖い。

体調を崩すのが怖い。

そんな気持ちは、
決しておかしなことではありません。

世の中が元通りになったとしても、
心まで同じスピードで元に戻るわけではないからです。

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ゆっくりでも大丈夫。

少なくとも私は、
同じように立ち止まっていた時期がありました。

そして今も、
完璧に克服できたわけではありません。

それでも少しずつ
前へ進めるようになっています。

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「こんな人もいるんだ」

そう思ってもらえるだけで嬉しいです。

この場所が、
少しでも安心して息をつける場所になりますように。

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