「大丈夫」を確かめるほど、不安になっていった

03. 嘔吐恐怖症

🌿
嘔吐恐怖症に悩んでいた時期。

私は常に、
自分の体の状態を監視していました。

今日の体調は大丈夫かな。

お腹は大丈夫かな。

今、気持ち悪くないかな。

このまま大丈夫かな。

何か起きないかな。

──────

少しでも気になることがあると、
「大丈夫」かどうか確認したくて。

今は大丈夫。

でも、
本当に大丈夫かな。

さっきより、
気持ち悪くなっていないかな。

お腹は変じゃないかな。

身体に何か変化はないかな。

何度も何度も、
自分の身体を確認する。

──────

すると。

なんとなく、
気持ち悪い感じがしてきて。

「もし急に吐きそうになったらどうしよう」

そんなことばかり考えて。

不安が、
どんどん膨らんでいく。

そんな毎日を送っていました。

──────

少しお腹が動いた気がする。

なんとなく胃が重い気がする。

喉が少し変な感じがする。

そんな、
誰にでもありそうな身体の小さな感覚。

でも。

「これって大丈夫かな」

と思った瞬間から。

その感覚が、
ものすごく気になるようになる。

──────

お腹はどうかな。

さっきより気持ち悪くないかな。

吐き気はないかな。

本当に大丈夫かな。

もう一度確認する。

また確認する。

そして。

少しでも「変かもしれない」と思うと。

「やっぱり何かあるのかな」

と怖くなる。

──────

だから。

確認すればするほど、
身体から目が離せなくなりました。

普通なら、
気にしないような感覚まで。

「あれ?」

と思う。

その「あれ?」が、
また不安になる。

そして。

「もし吐き気だったら?」

に繋がって、なにも手がつかなくなる。

──────

そして。

「吐くかもしれない」ということが頭から離れなくなる。

もし急に吐きそうになったら。

もし今、
ひそかに吐き気が始まっていたら。

もし、このままどんどん気持ち悪くなったら。

そんなことを考えていると。

まだ何も起きていないのに、
本当に気持ち悪くなってくるような感覚がありました。

──────

そして。

また確認する。

「今は大丈夫かな」

「本当に大丈夫かな」

「さっきより悪くなってないかな」

確認して。

また気になる。

また確認する。

その繰り返し。

──────

私はとにかく、

「吐かない」という確信が欲しかった。

何度確認しても。

「絶対に大丈夫」

とは言えない。

だから。

また確認する。

──────

でも。

そんなものは、
いくら確認しても分かりません。

今は大丈夫でも。

この先どうなるかなんて、
分からない。

未来のことなんて、
誰にもわかりません。

だから。

「今大丈夫かな」

を確認しても。

少し時間が経つと、

「今はどうかな」

と、また気になって。

──────

そして。

気づけば。

一日の中で、
何度も自分の身体を確認していました。

朝起きて。

「今日、体調大丈夫かな」

出かける前に。

「今、気持ち悪くないかな」

電車の中で。

「大丈夫かな」

食事をして。

「このあと気持ち悪くならないかな」

夜になって。

「今日は大丈夫だったかな」

──────

どこにいても。

何をしていても。

自分の身体を、
どこかで気にしている。

そして。

少しでも違和感があると。

「大丈夫かな」

と不安になる。

──────

そして。

一度気になってしまうと。

そのことから、
なかなか離れられない。

「さっきは大丈夫だった」

と思っても。

「でも、今は?」

と考えてしまう。

「今は大丈夫」

と思っても。

「このあと急に吐きそうになったら?」

と考えてしまう。

──────

そんなことを繰り返していると。

いつの間にか。

「今、大丈夫か」

ではなく。

「この先も大丈夫か」

まで考えるようになっていました。

まだ何も起きていないのに。

これから起きるかもしれないことまで、
確認しようとしていた。

でも。

未来のことなんて、
確認できません。

だから。

いくら考えても、
答えが出ない。

──────

それでも。

答えが出ないからこそ、
また考える。

「大丈夫かな」

「本当に大丈夫かな」

「もし吐いたら?」

「どうしよう」

そして。

また身体を確認する。

これを、
永遠に繰り返していました。

──────

私は、
安心したかったんだと思います。

何か起きる前に気づきたかった。

吐く前に分かりたかった。

大丈夫じゃなくなる前に、
知っておきたかった。

だから。

ずっと自分の身体を
見張っていたのだと思います。

──────

でも。

身体を見張っていると。

ほんの小さな変化まで、
見つけてしまいます。

お腹が鳴る。

胃が少し重い。

喉が乾いている。

少し動悸がする。

疲れている。

そんなことまで。

「これは大丈夫?」

と考えてしまう。

──────

そして。

「もしかしたら、
吐き気かもしれない」

と思う。

すると。

その可能性が、
どんどん大きくなっていく。

本当に吐きそうなのか。

ただ気にしすぎているだけなのか。

自分でも、
分からなくなる。

──────

だから。

また確認する。

でも。

確認しても、
はっきりした答えは出ない。

「大丈夫」と思った数分後には、
また不安になる。

そんなことの繰り返しで。

──────

当時の私は、
とにかく苦しかった。

何をしていても付きまとう、
不安。

何をしていても付きまとう、
嘔吐への恐怖感。

私は何のために生きているのか。

何が楽しくて生きているのか。

それさえ、
分からなくなることもありました。

こんな自分が嫌になることも、
沢山ありました。

──────

でも今は。

あの頃の自分を、
あまり責めたいとは思いません。

だって。

それだけ、
怖かったんだと思うから。

「吐くかもしれない」

という怖さがあったから。

何か起きる前に、
なんとか気づきたかった。

自分を守りたかった。

──────

何度も確認していたのは、

私が弱くて、
心配性だったからではなく。

怖いものから自分を守ろうとしていたから。

今はそう思っています。

──────

そして、今。

少しずつ。

「確認しても、安心できるわけじゃない」

ということに、
気づいていきました。

確認すればするほど。

身体が気になる。

身体が気になるほど。

少しの変化にも気づく。

気づくほど。

「吐くかもしれない」と思う。

そして。

また確認する。

──────

確認することが、
不安をなくしてくれるどころか。

不安をどんどん大きくしてしまう。

それに気づいたことは、
私にとって大きかったです。

──────

だからといって。

「確認するのをやめよう」

と、
すぐにできたわけではありません。

怖かったから。

気になったら、
やっぱり確認したくなる。

何度も確認してしまう日もありました。

不安で動けなくなる日もありました。

──────

それでも。

少しずつ。

「今、確認しなくてもいいかもしれない」

と思える瞬間が、
出てきました。

身体が少し気になる。

でも。

すぐに答えを探さない。

「ちょっと気になるな」

くらいで、
そのままにしてみる。

──────

すると。

しばらく経ったら、
気にならなくなっていることがあって。

「あれ?」

と思いました。

さっきまで、
あんなに気になっていたのに。

いつの間にか、
別のことを考えている。

──────

その経験が、
少しずつ増えていきました。

「身体のことを確認し続けなくても、
時間は過ぎていくんだ」

と。

少しずつ、
思えるようになりました。

──────

もちろん今でも、

不安になることもあります。

でも。

昔のように。

一度気になったら、
ずっと確認し続ける。

ということは、
なくなりました。

──────

「大丈夫かな」

と思っても。

その答えを、
すぐに出さなくてもいい。

本当に大丈夫かどうか。

今は、
まだ分からなくてもいい。

未来のことなんて、わからない。
その時が来たら、考えればいい。

そんなふうに、
思うことができるようになってきました。

──────

あの頃の私は。

「大丈夫」という確信がないと、
怖かった。

だから。

何度も自分の体調を確認して。

でも。

何度確認しても。

大丈夫どころか、
不安が膨らんでいくだけでした。

──────

もし今。

何度も身体を確認してしまう方がいたら。

「今、気持ち悪くないかな」

「本当に大丈夫かな」

「さっきより悪くなってないかな」

そんなふうに、
何度も確認してしまう。

私も、
そうでした。

──────

そして。

確認しているうちに。

なんとなく気持ち悪い気がしてきて。

「もし急に吐きそうになったら」

と考えて。

どんどん不安になっていく。

そんな毎日を、
私も送っていました。

だから。

もし今、
同じようなことをしている人がいたとしても。

「どうして私は、
こんなことをしてしまうんだろう」

と、
自分を責めなくて大丈夫です。

それは決して、
あなたが弱くて、心配性だからではなくて。

怖いものから自分を守ろうとしている証拠だと思います。

──────

すぐに変われなくても、
大丈夫。

少しずつ。

「確認しなくても、
そのまま時間が過ぎることがある」

そんな経験が、
一つずつ増えていけばいい。

──────

私も。

ずっと自分の身体を監視していた時期がありました。

少しの変化も見逃したくなくて。

何度も確認して。

「大丈夫かな」と考えて。

それでも、
安心できなくて。

また確認して。不安になって。

そんな毎日でした。

──────

でも今は。

あの頃ほど、
自分の身体を見張らなくても。

毎日を過ごせるようになりました。

不安が消えたわけではありません。

「大丈夫かな」と思うこともあります。

それでも。

その答えを、
すぐに探さなくてもいい。

分からないままでも、
少しだけ先へ進んでいい。

そんなふうに思えるようになりました。

──────

もし今。

何度も「大丈夫かな」と確認している方がいたら。

私も、
同じように何度も確認していました。

そして。

確認すればするほど、
不安になっていました。

だから。

「こんな人もいたんだ」

と、
少しだけ思ってもらえたら嬉しいです。

すぐに変われなくても大丈夫。

少しずつ。

確認しなくても過ごせる時間が、
ほんの少し増えていけばいい。

この場所が、
少しでも安心して息をつける場所になりますように。

コメント

タイトルとURLをコピーしました