「食事」につきまとう、不安

03. 嘔吐恐怖症

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大学生の頃。

私は、嘔吐恐怖症を発症し、
食べることが怖くなりました。

大好きだったご飯も。

昔は毎日食べていたスイーツも。

ほとんど食べることができなくなりました。

──────

食べることが怖くなった話は、
以前別の記事でも綴りました。

生きるために必要な「食べる」ということが、
恐怖になってしまった。

あの頃は、
本当に苦しかったです。

でも。

食べられるようになってからも、
すぐに全部が元通りになったわけではなくて。

──────

少しずつ、
ご飯を食べられるようになる。

「今日は食べられた」

そう思える。

それだけでも、
昔の私にとっては大きなことでした。

でも。

食べ終わったあと。

ふと、
自分の身体に意識が向く。

お腹、
大丈夫かな。

胃、
変じゃないかな。

ちょっと重い気がする。

気持ち悪くないかな。

そんなことを、
考えてしまう。

──────

普通だったら。

ご飯を食べたら、

「おいしかった」

「お腹いっぱい」

それで終わると思います。

でも私は、
食べ終わったあとまで安心できませんでした。

食べた。
↓
今のところ大丈夫。
↓
でも、少しお腹が重い。
↓
これって大丈夫かな。
↓
気持ち悪くなったらどうしよう。

そんなふうに、
また不安が始まる。

──────

食べている最中は、
なんとか大丈夫。

でも。

食べ終わった瞬間から、
身体の感覚が気になってくる。

「今、気持ち悪くない?」

「大丈夫?」

自分の身体を、
何度も確認してしまう。

──────

そして。

それが一番強く出たのが、
外食のシーン。

家なら、
まだ安心できる。

もし気持ち悪くなっても、
すぐに横になれる。

自分の家だから、
落ち着ける。

でも外食は違いました。

お店の中。

周りには、
知らない人がいる。

すぐに家へ帰れるわけでもない。

食べている途中で、
「やっぱり無理」と思っても。

簡単には、
その場を離れられない。

──────

だから、
外食の予定が入ると。

「何を食べよう」

よりも先に、

「大丈夫かな」

と、不安がよぎる。

何を食べれば安心かな。

量は大丈夫かな。

食べたあと、
気持ち悪くならないかな。

途中で気持ち悪くなったら、
どうしよう。

そんなことばかり。

──────

友達とご飯を食べること。

それは、
昔の私にとって、

とっても幸せで、

楽しいことで。

私の人生に、欠かせないものでした。

新しいお店へ行ったり。

好きなものを注文したり。

食べながら、
くだらない話をしたり。

そんな最高の時間。

でも。

今の私はまるで別人のようで。

──────

メニューを見ても。

「これ、おいしそう」

より、

「これは大丈夫かな」

と思ってしまう。

注文しても。

料理が運ばれてきたら、

「食べきれるかな」

と考える。

食べ始めても、

「今のところ大丈夫」

と確認する。

そして食べ終わっても、

「このあと大丈夫かな」

と考える。

一回の食事の中に、
こんなにたくさんの「大丈夫かな」がありました。

──────

周りから見たら、
普通にご飯を食べているように
見えていたかもしれません。

笑って。

話して。

ご飯を食べて。

何も問題がないように見える。

でも私の頭の中では。

ずっと、
自分の身体を気にしていました。

「大丈夫かな」

「気持ち悪くないかな」

「このまま大丈夫かな」

そんなことを考えながら、
ご飯を食べていました。

──────

今振り返ると。

食べること自体が怖いのではなくて、
食べた「あと」に何か起きるかもしれないことが怖くて。

何かを口にすると、

「この後、もし気持ち悪くなったら。」

そんな未来まで、
一緒についてきてしまう。

──────

それでも。

少しずつ、
食べられるものが増えていきました。

最初は、
安心できるものから。

大丈夫だった。

そう思える経験が、
一つずつ増えていく。

今日も食べられた。

昨日も大丈夫だった。

そんな経験を重ねていくうちに。

少しずつ、
「食べる」ということに慣れていきました。

──────

そして今。

私は、
好きなものを食べられるようになりました。

好きな時間に。

好きなものを。

「今日はこれ食べたい」

そんな気持ちで、
ご飯を選べる。

これは、
当たり前のことのようで。

私にとっては、
当たり前ではありません。

──────

以前だったら。

「食べたい」

と思っても、

「でも、怖い」

が先に来ていた。

今は、

「食べたい」

と思ったら。

「じゃあ、食べよう」

と思えることが増えました。

それだけでも、
本当に嬉しいです。

──────

もちろん。

今でも、
体調が悪い日はあります。

食べたあとに、
少し胃が重いこともあります。

そんなとき、

「大丈夫かな」

と思うこともあります。

でも。

昔のように、
その感覚だけで全部が怖くなることは、
少なくなりました。

「今日はちょっと調子が悪いのかもしれない」

そう思って、
そのまま過ごせる日も増えました。

──────

「食べたあと、自分の身体をずっと監視しなくてもいい」

そう思えるようになったことも、
私にとっては大きかったのかもしれません。

食べたら、
食べたことを忘れていい。

おいしかったな。

で終わっていい。

食後の自分の身体を、
ずっと確認しなくてもいい。

そんな普通の時間が、
少しずつ戻ってきました。

──────

だから今、
ご飯を食べたあとに、

「おいしかった」

と思えることが、
すごく幸せです。

食べたことを後悔しない。

食後の身体を、
ずっと気にしない。

次のことを考えられる。

そんな時間が、
本当にありがたい。

──────

あの頃は。

「どうして普通に食べられないんだろう」

と思っていました。

みんなは普通に食べているのに。

どうして私は、
こんなに怖いんだろう。

どうして、
食べるだけのことができないんだろう。

自分を責めたこともありました。

でも今は。

あの頃の自分を、
責めたいとは思いません。

怖かったんだから、
仕方なかった。

食べることが怖い中でも。

それでも、
少しずつ食べようとしていた。

それだけで、
十分頑張っていたと思います。

──────

もし今。

食べることが怖い方がいたら。

外食が怖い方も。

食後の身体の感覚が怖い方も。

「こんなことを気にしているのは、
私だけなのかな」

と思わなくて大丈夫です。

私も、
食べることにたくさん悩んだ時期がありました。

そして。

少しずつ。

本当に少しずつ。

「食べても大丈夫だった」

という経験を、
積み重ねていきました。

──────

今では。

好きなものを、
好きな時間に食べられる。

それだけで、
幸せだなと思います。

当たり前だと思っていたことが、
当たり前ではなくなった経験があるからこそ。

食べられることのありがたさを、
前よりずっと感じるようになりました。

──────

もし今、
食べることが怖くなっているなら。

「食べられない自分はダメなんだ」

と、
自分を責めないでくださいね。

怖い中でも、
今日を過ごしている。

それだけで、
本当に十分頑張っています。

私も、
同じように食べることが怖かった一人です。

そして今は。

食べることが、
少しずつ「怖いもの」から
「楽しめるもの」に戻ってきました。

「こんな人もいるんだ」

そう思ってもらえるだけで、
嬉しいです。

この場所が、
少しでも安心して息をつける場所になりますように。

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